人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


そこかしこにあふれる「シニア向け〇〇〇〇」というモノやコトを見聞きしてはまたかと思ってしまいます。アメリカの大統領がアメリカファーストを唱えたかと思えば、東京都知事が都民ファーストを唱えるのと同じように50代60代になると「シニアファースト」に向かっていないでしょうか。
50代60代になるとシニアファーストになっていませんか?|新おとな学


シニアファーストで生まれたシニア向けなのか?


魚が多いところに

ビジネス的にはターゲットを絞った「〇〇〇〇ファースト」という考え方があっても当然だと思います。魚が多いところに針を投げなければ釣れないのと同じように、顧客が多いところに商品・サービスを投じるのであれば、高齢社会ではシニアファーストが妥当でしょう。

シニア向け商品・サービス

もうひとつ気になるのが「シニア向け」という商品・サービスです。「シニア向け」という意味には、シニアでも使いやすいという意味とシニアでなければ使えないという意味があり、前者は商品に後者はサービスに多く見られます。「シニア向け」とはどんな商品・サービスなのでしょうか。

既存の商品・商品サービス

実際にはシニアに特化した商品・サービスのようで、既存の商品・サービスをアレンジまたはカスタマイズしており企画段階からシニアに特化して開発されていないことが多いのです。そういった意味では「シニア専用」ではなく「シニア向け」という表現は正しいのかもしれません。

ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインの意味を「誰でも使いやすいデザイン」という意味で理解している人も多いと思います。子供・女性・高齢者・障害者などの標準的な体型・動作を基準にしたデザインでは使いにくいという人でも使える商品・サービスのデザインということです。「シニア向け」とはユニバーサルデザインに配慮した商品・サービスということなのでしょう。




時代の変化に高齢者は対応できないのか?


誰でも使えるようになるためには 

ユニバーサルデザインを「誰でも使いやすいデザイン」と考えることは、同じ商品・サービスを誰もが同じように使えるということを意味しています。これらは商品・サービスを提供する側が意識することで、使用する側についての意識は考えられていません。使用する側もデザインを受け入れるだけのリテラシーを身につけなければユニバーサルとはならないのです。

キャッシュレス時代の到来

最近ではとみに報じられているのが「キャッシュレス決済」です。高齢社会に向けてキャッシュレス決済はかなり抵抗が予想されます。某高齢著名人も「私たちは現金世代」と言い切っていますので、巷の高齢庶民ならば「キャッシュレス?なにそれ?」ということになるでしょう。シニア向けキャッシュレスへのアプローチも考えなければなりません。

マイホームとマイカーの時代

かつてはマイホームとマイカーを持つことが日本の中流意識の象徴でした。現在では人口が減少し、空き家問題が発生し、高齢者による交通事故も多くなっています。シニア向け住宅はかつてのマイホームのリフォーム(リノベーション)が中心であり、マイホームの処分の仕方までを考えた住宅プランではありません。

高齢者がマイカーを持つことも運転することも否定的になってきていますが、車がなければ生活できない地域もあるのです。そのような地域でもマイカーの代わりになるシニア向け交通は未だにテスト段階から抜け切れていません。

デジタル時代の象徴であるスマホ

ときおり発表される統計に「高齢者のスマホ使用率アップ」があります。ガラケーとスマホを機能的に比べれば圧倒的にスマホのほうが多機能であり、また新しいサービスもスマホでなければ使えないということもあります。ちなみにガラケーを使いたいと思ってももうガラケーの販売は縮小の一方で、買い換え時にはスマホを選ばざるを得ない状況での「使用率アップ」は当たり前で、シニア向けとは程遠いのです。




シニア向けで必要なのは教育と学習の場


シニア向け教育と学習

「シニア向け〇〇〇〇」で必要なのはビジネスとして成立する商品・サービスだけではなく、時代によって変わる社会生活に向けた教育と学習です。前述のキャッシュレス・マイホーム・マイカー・スマホを始めとした時代によって変わってきているモノ・コトについて、時代背景に沿って知識を身につけることが必要だと思います。

教育と学習の場が必要

知識を身につけるためにはいろいろな方法がありますが、手っ取り早いのがテレビと本でしょう。テレビと本では理解したかどうかはわかりませんので、自動車免許にある高齢者講習のような仕組みがあってもよいと思います。講習のような厳正なものでなくても自治体が行っている年齢別健康診断・健診のようなことを行ってはどうでしょうか。

高齢社会の高齢者になる

高齢社会とは総人口に総人口に占める高齢者の割合ですので、高齢社会で高齢者になるということはマジョリティ(多数)にになるということです。ビジネスも政治も行政も多数に向けて行うので、当のマジョリティに属している人は安心して現状維持を望みがちです。マジョリティにはマジョリティの責任と義務がありますので、現在と未来を見据えなければなりません。そのためには商品・サービスよりも「学ぶこと」が必要です。

シニア向け義務教育の場

極端に言えば、シニア向けの教育の場・学習の場として「シニア向け義務教育」があってもよいと思います。なにも一ヵ所に集まって学校形式の教育・学習を行わなくても方法はいろいろとあると思います。高齢者の基準が65歳とするならば、65歳になるまでの義務教育と65歳以降の学習内容を備えることによって、高齢社会全体としてのリテラシーが上がるはずです。 




シニアファーストではなく〇〇〇〇〇ファースト!


「シニア向け〇〇〇〇」というのは高齢社会に対しての対処療法のひとつであって守りの姿勢です。攻めの姿勢に転ずるには時代の流れを学び、時代に合った生き方をするべきだと思います。そのためにはやはり高齢社会に向けた教育と学習が不可欠です。

例えば、高齢になっても働かなければならない社会ではなく、高齢になっても働くことができる社会にしていくには、50代60代の高齢者予備軍が学ぶことでリテラシーを上げ「シニア向け〇〇〇〇」とできるだけ払拭していくことです。

そして「シニアファースト」ではなく、シニア以外をファーストに考えることができる余裕を持つことが「シニア」と呼ばれてもおかしくない世代に達したことを意味するのではないでしょうか。





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