人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


これまでに何回か高齢社会に向けけての人口構造について取り上げてきました。高齢社会が本格的に迎えるのは2040頃からだと思われます。その頃にはどのような社会になっているのでしょうか。
新おとな学


高齢社会は2040年頃から本格化する


高齢社会はいつから

2020年-2040年-2060年と比べると2020年段階では2つの凸があります。団塊の世代と団塊ジュニアの世代です。団塊ジュニアの世代が65歳以上になるのが2040年頃で、この頃から凸が1つになります。現在イメージしている高齢社会は2040年以降の社会ではないでしょうか。

日本将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所)


人国構造の変化を知る

現状までの人口構造が社会に影響を与えてきた資料は多くありますが、これからの人口構造を予測しどのように社会に影響を与えるかは各分野の専門家が予測しています。基本となるのは人口構造の変化ですので、どのように変化するのかを詳しく知る必要があります。


総人口が減少する

高齢化の推移と将来推計(平成30年版高齢社会白書)

上図では下の方から高齢者の人口が積み上げられています。65歳以上の人口(ピンクとブルーの合計)が2020年から総人口に比べてほぼ横ばいになっています。総人口が減少しているので高齢化率(オレンジ色の折れ線)が上昇しています。高齢社会は高齢者(分子)の増加ではなく総人口(分母)の減少によるものです。


どのようなことが起きるか

人口構造が変化するとどのようなことが起きると予測できるしょうか。
  • 1人当たりの消費力が同じであれば需要が弱まる
  • 生産年齢人口(15-64歳)が減少すれば労働力人口も減少する
  • 労働参加率が同じれあれば労働力人口(15歳以上)は減少する
  • 労働力人口が減少すれが生産力が低下し供給力が弱まる
  • 高齢化率が高まれば高齢者中心の社会制度に変わる
  • 年少者が減少すれば年少者対象の社会制度が変わる
  • 地域間の高齢化率の差は高齢社会格差を強める
  • 納税者が減少し所得税の税収が減少する



本格化した2040年の高齢社会ではなにが起きるのか


一人暮らしが増える

65歳以上の一人暮らしの者の動向

 高齢化率     2020年 29.1% 2040年 36.3%(3人に1人)
 65歳以上の
 一人暮らし(男) 2020年 15.5% 2040年 20.8%(5人に1人)
 一人暮らし(女) 2020年 22.4% 2040年 24.5%(4人に1人)

高齢者の割合が増えるだけでなく一人暮らしの割合が増えるということは、家族以外の介護が必要になり、介護を必要としない暮らし方を考えなければなりません。一人暮らしができない高齢者は施設への入居を積極的に考えなければならなくなります。また女性の一人暮らしが多くなることは経済的な余裕がなくなることも考えられます。


学生が減るということは

18歳人口と高等教育機関への進学率等への推移

小中学生はもとより学生の人口が減りますので、教育制度と教育機関(学校)という社会制度を変えなければなりません。教育は現状維持のコストではなく未来への投資です。特に高等教育は生産年齢人口の質の底上げにもつながりますので、高齢社会になってもを入れなければならない分野だと思います。


14歳以下・15歳-64歳・65歳以上の推移

我が国の人口及び人口構成の推移

  • 1990年代後半には14歳以下の人口と65歳以上の人口が同数になっていることがわかります。同時期に15歳-64歳の人口もピークになっています。
  • 2015年頃には14歳以下の人口は15歳-64歳のほぼ半分になり、2040年は約3分の1になると予測されています。
  • 2020年の15歳-64歳の人口は1970年代とほぼ同じく、2040年には1960年代と同じようになります。
この間に右肩上がりなのは65歳以上の人口で、この年代を中心にした社会制度に変わりつつあるのが現在の状況です。


経済成長パターンは当てはまらない

長期的な経済展望(PwC) border=

高齢社会が定着すると総人口の減少・総人口に占める生産年齢人口(15歳-64歳)の減少・生産年齢人口の減少に伴う労働力人口の減少という3つの現象が生じます。これらは生産力と消費力の両方が減衰することになり国としての経済力が弱まります。

世界全体の人口構造はいまだにピラミッド型が維持され、人口も増え続けています。他国の経済はピラミッド型を維持している国は経済成長を続けていることがわかります。日本ではピラミッド型を維持してきた過去の経済成長パターンは当てはまらなくなっているのです。




高齢者社会では何を変えればよいのか


高齢社会を変えることはできない

高齢者が増え、高齢者を中心とした社会制度を維持する一方で、高齢者による生産力・消費力が弱まることは避けられません。これらを改善するためにはどのようなことが考えられるでしょうか。

  • 高齢者が増える ⇒ 自然増はやむを得ない
  • 高齢者中心の社会制度 ⇒ 高齢者の優遇を縮小する
  • 高齢者による生産力 ⇒ 高齢者の労働力参加
  • 高齢者による消費力 ⇒ 就労による消費増加

高齢者の定義を変えることは?

高齢者を70歳以上、75歳以上に変えようという考え方もあります。年齢を上げることで高齢者の優遇を縮小し、労働力への参加を促そうという考えでしょうが実態は変わらないと思います。

高齢社会で変えなければならないこと

高齢社会で不足するのは経済力を支える労働力です。労働力は人的労働力と機械労働力があります。人的労働力を補うためには少子化を食い止めるか、海外からの労働力を増やすことが考えられます。

50代60代のICTリテラシー

機械的な労働力を増やすには、AIやIoTという最先端の科学技術を取り入れることと、ICTリテラシーを高めることだと思います。既に人生後半戦を迎えた年代、その一番若い世代でもある50代60代のICTリテラシーを高めることが重要だと思います。

労働生産を高めるためには

これから不足するのは日本の経済力の中でもGDPです。一人当たりGDPを上げることが日本の経済力の指標になります。そのためには労働力人口を増やすだけではなく、それぞれの年代に合った労働生産性を高める必要があり、そのためはICTリテラシーを上げることは不可欠だと思います。



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端的に言えば高齢社会の課題に取り組むには過去との決別が必要だと思います。過去の経験やスキルよりも、これから必要な経験やスキルに取り組むべきでしょう。特にバブル景気を知っている50代以上の年代、そして過去と未来の狭間に生きている50代60代がこの課題に率先して取り組まなければならないと思います。

50代60代においてはICTリテラシーを上げるための第2の義務教育があってもよいのではないかと思います。自分たちが本格的に要介護者になる頃には、在宅介護も在宅医療もICTが取り入れられるでしょう。介護や医療の必要がなくても、在宅の見守りを始め、日常生活もICTを取り入れることで在宅で高齢社会を快適に送ることができると思います。

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