人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


「人生いろいろ、後半戦も人それぞれ」と言ってしまえば、何も考えることなく「川の流れのように、身をまかせるだけ」となってしまいます。息を引き取る間際はそれもいいかもしれません。今はどうでしょうか、自分の将来について何も考えずに毎日過ごしてよいものでしょうか。

 


高齢化から生じるという歪な人口構成


少子高齢化の2つのグラフ

世の中でこれから起きることは想像しがたいですが、確実に起きるこもあります。その1つが人口構成の変化です。すでに何度か紹介している国立社会保障・人口問題研究所の「人口ピラミッド」と、平成29年版高齢社会白書(内閣府)の「高齢化推移と将来推計」の2つのグラフを見れば将来を案じない人は少ないと思います。

    参考:人口ピラミッド(国立社会保障・人口問題研究所)

    参考:平成29年度高齢社会白書(内閣府)

自分が住んでいる町は

上記の資料は日本全体の人口推移ですが、自分が住んでいる町の人口推移はご存知でしょうか。私の住んでいる札幌市でも「さっぽろ未来創生プラン」として人口予測が行われています。日本全体よりもさらに少子高齢化が進んでいることがわかります。みなさんが住んでいる町の人口推移の予測はご存知でしょうか?

    参考:人口ビジョン編(さっぽろ未来創生プラン)

全国規模のデータでは

マスコミや各種メディア、書籍などで取り上げるのは全国規模のデータです。全国と札幌市の人口と高齢化率のデータを下記の通り抜粋してみました。人口減は全国と比べて緩やかに進むという予測ですが、高齢化率は札幌が格段に早く進みます。大雑把に言うと2人に1人は65歳以上です。

    【人 口】[ ]内は2010年を基準にした減少率
    2010年(平22) 全国 1億2806万人[100.0] 札幌 191万人[100.0]
    2040年(平52) 全国 1億1092万人[86.6]   札幌 175万人[91.6]
    2060年(平72) 全国    8808万人[68.8] 札幌 143万人[74.9]

    【高齢化率】65歳以上人口の占める割合
    2010年(平22) 全国 23.0% 札幌 20.4%
    2040年(平52) 全国 31.2% 札幌 38.3%
    2060年(平72) 全国 38.1% 札幌 44.1%

人口構成の変化による影響は

少子高齢化の波は全国平均よりも札幌のほうが早く訪れます。その原因は流入人口よりも流出人口の方が多いからで、流出人口の多くは若年層人口のために高齢化が進むのが早くなると予想できます。

出生率を上げる、子供を増やす、子育て環境を整えるだけではこの状態は変わりません。65歳以上人口の社会的な動向を変えることも早急に考えなければならない状況です。全国レベルのデータによる対策では遅すぎるのです。みなさんの町ではどのような対策を練っているでしょうか。




社会格差の原因は経済格差から生じる


格差の原因は経済格差

格差には経済格差の他に教育格差、健康格差などいろいろな格差が問題提起されています。格差の根源となっているのはやはり経済格差、貧富の格差でしょう。教育格差は教育費・学費の上昇、健康格差は生活習慣の差によるもので、どちらも経済面の差が原因になっていると考えられます。

    参考:下記のサイトで全文を読むことができます
    現代新書×WEBメディア7媒体『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』全文公開プロジェクト

「21世紀の資本」でも明らかに

フランスの経済学者トマ・ピケティが著した「21世紀の資本」はまだ記憶に新しいと思います。大著なだけに読み切れていない、読む気になれないという人も多いのではないでしょうか。ピケティ教授の論証を簡単に説明すると「お金がお金を生むのと労働がお金を生むのとではどちらが強力か」ということです。お金がお金生む方が強く早ければ貧富の差、経済格差が生まれると解釈できます。


日本の経済格差は2つある

資本主義の市場原理が働く限り貧富の差は生じることは避けられません。日本の経済格差は、年代間の格差と地域間の格差が大きく取り上げられています。前述の人口の高齢化と地方の高齢化にも表れています。年代間の格差は年功序列制度と社会保障制度が大きく関わっており、地域間の格差は若年層の流出による地方産業の衰退が関わっていると考えられます。

格差是正を行うためには

日本国内だけで格差是正を考えるときに、所得が高い方から低い方へ富の移動を行うという基本的な考えがあります。高所得者への所得税率を高めるなどは分かりやすい施策です。これだけでは格差是正にはなりません。所得を高くすることに魅力がなくなってしまうということは、直接的に経済が停滞することに影響を与えてしまいます。



人生後半戦をどこまで予測するか、どのように想定するか


どこまで予測するか

50年後なんてもう生きていないし、生きていたとしても何かできるわけではないと考える人もいえうでしょう。それでは何年後ぐらいまでだったら考えられるでしょうか。20年後?、30年後だったら考えられるでしょうか。

要介護になる前に

自分の健康状態を考え、他の人の力を借りなくても暮らすことができる間、言いかえれば健康寿命になる前に考え行動しておくことが肝要です。健康寿命は男女とも70代前半ですので、個人差を含むめて75歳までに社会で起きることを予測し、自分の処し方を想定しておくのが理想的です。

年金に頼り過ぎない

人口構成から考えても、自分たちを介護してくれる層へ期待することは今起きている問題を押し付けることになりかねません。人口が減少することは労働力も税収も少なくなることになり、年金への国庫負担による財源補充もできなくなります。医療保険や介護保険も保険料の収入が少なくなる一方で、高齢者を中心とした医療費や介護費の給付が増えているのが現状です。

参考:年金の収入と支出の仕組み(NIKKEI STYLE)

女性の労働力と子育て

女性の労働力に期待しても、子育て環境を整えても高齢化に対しては焼け石に水です。人生後半戦を迎えた者が自分自身の処し方を考えなければならないと思います。年金に頼らない暮らし方、医療や介護に頼らない暮らし方、労働力市場への積極的参加を行わなければならないのです。




人口構成と社会格差を未来のために乗り越える


人生後半戦になると住処を変えることはなかなかできないものです。自分が住んでいる自治体から発表されている人口構成の変化をまず知ることです。もし発表されていないならば自分で予測し、それに見合った暮らし方を想定することです。

日本全体を考えるのであれば、地方に住むということは生産地に住むということでしたが、生産地の産業構成自体が変わっています。住むために必要なインフラを維持することもこれからは難しくなってきます。

これらを補うのが交通・流通・通信の発達とAI・IoT・ロボット・センサーなど最先端の技術です。これらへの理解がなければ高齢化が進む社会への対応ができないと思われます。過去・現在・未来はつながっていますが、歴史と将来は別ものなのです。

今回は「人口構成と社会格差」だけを取り上げましたが、まだまだ考えなければならないことがたくさんあります。「ニューシニア講座#12」では、人生後半戦に起きる個別の課題について考えてみたいと思います。





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