「SINGLE TASK(シングルタスク):一点集中主義」という本を読んでいます。同じような考えをしている人の本だとついつい読み込んでしまいます。マルチタスクではなくシングルタスクこそ価値があるという考え方の本です。
マルチタスクではなくタスクスイッチングを行っている
時間の効率化
一定の時間に可能な一定の作業量の割合を「能率」と言います。「効率」とは与えられた時間に期待される成果以上の作業を行うことを指します。「能率」と「効率」は同じことを指す場合もありますが、「効率」は量より質を重視すると考えることもできます。
マルチタスク
「マルチ」とは複数を意味し「タスク」は作業です。同時に複数の作業を行うことを意味していますが、マルチタスクが可能な作業と可能でない作業があります。マルチタスクが可能な作業とは予測できる行動を行うときです。例えばテレビを見ながら食事をする、音楽を聴きながらウォーキングをするなどです。
時間を節約する
マルチタスクを行うことは時間を効率的に使うと考えられることが多いですが、作業の効率化を行うことではありません。時間軸を主軸にして複数のことを同時に行っているという考え方です。例えば早口で話すことは時間の効率化ではなく時間の節約で、要点を絞って話すことが時間を効率的に使うという違いです。
タスクスイッチング
冒頭の本「シングルタスク」の中に書かれていたのが「タスクスイッチング」です。マルチタスクを行なっているようで、実際は1つの作業を速く行い、次の作業に切り替えることによって、あたかも複数の作業を同時に行っているように見えるということです。
集中する時間は短くても良い成果があがる
どちらが集中できるか
マルチタスクとシングルタスクではどちらが集中できるでしょうか。おおかたの人はシングルタスクと答えると思います。では集中して行ったときと集中しないで行ったときではどちらが良い成果をあげることができるでしょうか。
良い成果とはなにか
集中して行ったときの方が良い成果をあげられるとは限りません。行う作業によっては集中しなくても可能なこともあります。量で成果を判断するときは集中することで成果をあげられますが、どのくらい集中できるでしょうか。長時間集中することは難しいと思います。
成果を質で判断する
成果を量ではなく質で判断するときには、時間に関係なく集中力の高さによって変わると思います。高い集中力を伴って行った成果は質も高くなります。集中する時間は短くても質の高い成果があげることが可能です。
高い集中力で行う
マルチタスクで成果をあげていると思われいる人は、短時間に高い集中力で作業を行った後、タスクスイッチングをして別の作業をを行なっています。つまり集中力を切り替えるタスクスイッチングが速く、作業を行っている間はシングルタスクなのです。
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シングルタスクを行うためには集中する時間を作ること
若い時のマルチタスク
50代60代になると、若い時はマルチタスクで働けたのだが、最近は一度に複数のことをこなせなくなっていると感じることがあると思います。若い時は一気に集中力を高めることができたのですが、50代60代になるとこのスピードが落ちるのです。
50代60代は集中力よりも
もちろん集中力を高めるスピードに個人差はあります。同じ年齢でも集中力の高さ、集中力を高めるスピード、集中力を高めた後の作業能力によって成果も異なります。50代60代では集中力の衰えを経験力でカバーすることも多くなってきます。
集中している時間はあるか
現在50代60代になっている方は、自分が行っている仕事や作業をシングルタスクで行っているでしょうか、それともマルチタスクで行っているでしょうか。仕事や作業をしている時間にどれだけ集中している時間があるでしょうか。
集中する時間をつくる
集中している時間というのは、集中力を高めている時間という意味で、仕事や作業以外のことをしている時間ということではありません。時間のリデザインで見直さなければならない点の1つに「集中する時間をつくる」ということがあります。
50代60代はシングルタスクで仕事も生活も行う
50代60代のマルチタスク
前述通り50代60代では集中力の高さではなく、集中力を高めるスピードが落ちてきます。つまりタスクスイッチングをしても次の作業に移るまでに時間がかかり、マルチタスクというような状態にはならないのです。
50代60代はシングルタスク
若いころよりマルチタスクができなくなったのであれば、シングルタスクの仕事や働き方に変えることが最善の策となります。単純労働ではありません。同時に行っているように見えるマルチ作業を行わない仕事と働き方に変えるのです。
生活もシングルタスクに
仕事や働き方ばかりではなく生活もマルチタスクからシングルタスクに時間の使い方を変えるようにします。例えば、テレビでニュースを見ながら食事をする、スマホでSNSをチェックしながら寝る、家族と会話しながら別のことをするなど、枚挙に遑(いとま)がありません。
50代60代のリデザイン
50代60代になって時間のリデザインを行う時には、日々の仕事や生活の他に将来について考える時もマルチタスクを前提とするのではなく、シングルタスクを前提とすべきです。あれもやりたい、これもやりたいではリデザインはできないのです。
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いざ集中力を高めるとなると緊張すると思います。緊張するとストレスがかかり、緊張が連続するとストレスが溜まります。これでは集中力を高め続けるとストレスが溜まり続けてしまい心身に悪い影響を与えます。
リラックスしながら集中力を高めるに私は2つのことを心がけています。1つは行なわなければならない嫌いなことは短時間、行うべき好きなことは長時間行うということです。ただし嫌いなことを行わないということではありません。必ず両方とも行うようにします。
もう1つはスタート時間と調整時間を決めるということです。私の仕事のスタートは朝8時、終了は14時です。この間に75分毎に15分の調整時間を設けています。8時と14時にパソコンにアラームをセットし、この時刻になると一旦仕事を止めてリラックス時間にします。
1日を3時間刻みで考えているので14時から17時まではまとまった活動を行うようにしています。もちろんリラックスできる活動で、ウォーキングであったり、友人知人と会ったり、家族との時間を過ごすこともあります。
集中力は緊張から生まれるのではなく、時間の使い方で集中ができる時間を作るようにします。
このことは時間のリデザインを行うことで必ず考えなければならないことです。
デボラ・ザック ダイヤモンド社 2017-08-31